双子ということもあり、お腹の子供の発育は通常のケースよりも遅れていました。
しかし、2人の発育スピードに徐々に差がついて行きました。
第1子は成長が遅いながらも着実に大きくなっているのに対し、第2子は成長が思わしくない状態で、ちゃんと育ってくれているのかも疑問でした。
「疑問」と書いたのは、胎児の身長計測は医師の目分量になり正確な値が計測できないためです。
成長幅が小さいと「なぜか前回よりも小さくなっている」ということが数字上は起こり得ます。その数字を見て、妻と一喜一憂したものでした。
子宮内胎児発育不全(IUGR)というキーワードで調べて、第2子の「頭と身体のバランス」を注視し始めたのもこの頃です。
IUGRには、「対称型」と「非対称型」の2種類があります。
頭の成長も身体の成長も均一な「対称型」は、遺伝子疾患や胎児奇形が疑われ予後不良が多く、頭の成長が早く身体が追い付いていない「非対称型」であれば栄養不足によるもので予後は良好であるケースが多いそうです。
第1子の身体は小さいながら頭部はすくすくと育っていたので多胎妊娠によるもので心配はないと思いましたが、第2子は頭部の成長も思わしくないように見えました。
大学病院では検診の度に相談しても「様子を見ましょう」と言われてばかりで、不安は募るばかりです。
たまりかねた妻が近所のクリニックに出掛けて診てもらったところ、「第2子は諦めた方がよい」と言われてしまいます。
しかし、結論から書くと、第2子は小さいながらも無事に生まれ、現段階(1年以上経過)で発育上の問題は起きていません。(正規出産の子たちと比べると小柄ではありますが)
結果論ですが、大学病院の「様子を見ましょう」は正しかったことになります。
大学病院でも判断ができず、クリニックの医師(専門医)でも間違うことがある難しい症例とも言えます。
親として子供の発育を信じながら、同時に最悪の状況に陥った時に受け入れる準備をするという難しい対応を迫られます。
しかし、同じ思いや、もっとつらい思いをしている人もいることを忘れないでください。